絶対的存在



揺るぎないもの。
大きな背中はまだ、遠くにある。
背丈が追いついたことで、見える景色は一緒になった。
それだけで嬉しかったけど。
ある時、気づいた。
見えるものが同じでも、そこから感じるものは全然違うことに。



ああ、でも。
追いついた気がする時だってある。



例えば、疲れて眠っている坂本くんを見た時。
例えば、酒を交わしながら愚痴を聞けた時。
例えば、空手の技をかけられてビビッて俺の後ろに隠れるようにして縋ってきた時なんか、ちょっと嬉しくなったりする。



知ってんのかな。
知っててやってんのなら、嫌だけど。
何気なく頼ってもらえた時、すっげぇ嬉しいって思う。
一歩だけ、近づけた気がするから。



俺も成長したなぁ。
そう、自画自賛で一人ごちた俺を見て。
坂本くんが馬鹿じゃねぇのなんて言いながら笑った。



>イノ視点坂本くんについて。