意外と素直



「ホストと言えば松岡だよなー」
そう言ったのは俺の悪友。
鼻歌混じりにハンドルを握り、何が楽しいんだかふんふんと鼻歌まで歌ったりしている。
信号は赤。
道路は渋滞で進んでるんだか進んでないんだかもはやわからない。
これって決して鼻歌歌える状態じゃないと思うんだけど。
「・・・何よ急に」
「いや、なんとなく」
「なんとなくでぺらぺら発言するんじゃねぇよこの勢いで生きてるって感じのカミセンにハミられてる細目野郎が」
「あぁ?!俺に対するカミセンの対応は愛ゆえなんだよ!照れ隠しでああやってんだそっちのリーダーを前にしたお前みたいになアヒル口野郎」
「うわ、ホントムカつくお前マジ一発殴らせろコラ」
「上等だ表に出ろこの野郎」
俺の指摘通りに勢いで喧嘩を買い出す井ノ原だけど、現時点で車を降りて喧嘩でもおっ始めようもんならクラクションの嵐に囲まれること必死だ。
だから、俺がなんとか堪えて終了させる。
「あー俺ってオトナ」
「誰が子どもだ誰が!」
「あ?んなこたぁ一言も言ってませんよ井ノ原さん」
「遠まわしに言ってんだろうが!!」
「えーと、休日に暇で暇で仕方なくて暇な友達も見当たらないから遊ぼうって子どもみたいに喚き倒してやっとのオフでゆっくり休んでた俺を無理矢理掻っ攫いやがった失礼な男にご丁寧に昼ご飯の用意までしてやったのはどこの誰でしたっけ?」
「・・・・・ここのアナタです」
「そういう時は?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さんきゅー」



そう。
喧嘩っ早くて勢いで生きているこの男は意外と素直に出来ている。
だから嫌いになれないのかもしれねぇな、なんて恥ずかしいことを思ったりしたりするわけなんだ。


・・・・絶対言わないけど。



>マボイノでちまちまお題消化開始。