6. 親愛なる 白で構成された部屋。 そこにあるこれまた白いベッドに俺は横たわっていた。 薬の匂いがつん、と鼻を突く。 手には点滴。 ベッドの傍の机には薬の袋が無造作に置いてある。 これが、今の俺の全て。 男なら名を上げろ。 そう勇んで誰もが戦争に駆り出されていく中。 俺は突然バッタリと倒れた。 目が覚めたらベッドに沈んでいて。 大量の薬と、冷たい言葉をいただいた。 病名は・・・忘れたな。 ただ先はそんなに長くは無いと言われたのを覚えている。 どんどん痩せ細っていく身体。 俺もうすぐ死ぬらしい、とカミングアウトすれば。 お見舞いに来た親友の細い目が整形したんじゃないのって位に開いて。 そんで、一言。 『俺がこの戦争終わらせてくる。待ってろ』 そう言い残してどかどかと足音を立てて去っていった。 俺に渡す花を持ったまま。 優しい奴だった。 すぐキレて喧嘩吹っかけるような短気なやつだったけど、戦争は嫌だと笑ってた。 徴兵から逃げて逃げて隠れてまた逃げて。 馬鹿にされても生きてりゃいいんだよ。 いつか戦争は終わる。 そうしたらまた、普通に暮らせるんだからって。 それがアイツの口癖で。 俺はその考え方が好きだった。 アイツがいなくなってからしばらく経って、戦争は終わりを告げた。 俺の病状は悪化の道を辿り。 ベッドに沈んだまま動けない状態で。 気を抜いたらすぐにでも逝ってしまいそうな、そんな状態で。 でも、俺はアイツを待っていた。 死んでたまるか。 せめて、アイツが帰ってくるまでは。 そう、気を張った俺に。 見覚えのあるボロボロになった時計が届けられたのは、戦争が終わってから一週間後のことだった。 生きてりゃいいんじゃなかったのかよ。 死んだなら死んだって早く言え。 無理矢理生きようとしてた俺が馬鹿みたいだろ。 親愛なる悪友へ、俺から一言。 全く手に負えない馬鹿野郎だよお前は。 「・・・今逝くから、待っとけ」 形見の時計をありったけの力で握り締めながら。 目を閉じて、身体の中の全ての酸素を吐き出した。 >どうしてこういう暗い話ばっかり・・・!(むごー) |