4. 乱酒



「・・・おい、イノ」


呆れたような親友の声。
はい、イノですけど何か?


「お前そろそろ止めとけ」


何言ってんのよマボやん、これからでしょこれから。
あ、グラスん中氷なくなっちゃった。
入れてきてー。


「阿呆。いくら明日オフだっつっても飲みすぎだっつーの」


ひょい、と没収されるグラス。
なにすんだよー。
俺、まだまだいけるし。
返せよー。
返してくれないなら仕方ねぇ。
いいもん、これ飲むから。


「こーらー!どっからそんなもん見っけてきたのよ?!」


え、この戸棚からだけど。
マボやんってば俺に隠れてこーんないい酒飲もうなんて10年早いのよ。
ってことで、ハイ。
コルク抜き持ってきてー。


「ダメ!これは貰いもんなの!」


貰いもんって何よ。
別にんなこと全然関係ないじゃん。


「関係あんの!誕生日に貰った高ーいワインなんだからダメ!」


お、高いの?
それはそれは楽しみだ。
でも高いだけじゃここまで拒否したがらないよなー。


・・・・・・ははーん。
お前、これそちらさんのリーダーからの誕生日プレゼントだろ?


「うぐっ」


知ってるって。
あーそりゃ仕方ねぇなぁ。
お前のことだからきっと何年後かの誕生日にこっそり開けて飲もうなんて思ってたんだろうけど。
いいじゃん。
俺と飲もうぜ親友!


「嫌だ!ほら、これ返すから返せ!」


さっき没収されたグラスが返ってくる。
イエーイ。
じゃあ返す。
だから、氷持ってきてー。


「・・・分かったよ。持ってくるから待っとけ」


最初っからそう言えばいいのにー。
ついでにつまみもー。


「お前なんかその辺にあるイカでも齧ってろ!」


イカ?
どこにあんのよ。
これ?これか??
ねーえ、これ開けてもいいのー?


「開封済みのを食えよ!」


ちぇ。
心が狭いんだから。
あむあむ。
ちょっとしけってるよイカ。
マボやんのケチ。


「何か言ったかー?」


いえいえ、なんにも言ってませんよ。
あ、どーもね氷。
ほら、マボやんも飲めって。
んまいよ、これ。
ってマボやんの酒だから知ってるってな。
あはははは。



「・・・・・・なぁ」


なによマボやん。


「どした、今日は」


今日?
別になーんにも。
あれ、何かあったかと思った?
残念でしたー。


「・・・・・・そっか」


何その顔。
アヒルになってますよ松岡さん。
ね、飲もうぜ。
お前だって明日オフなんだろー?
こもりっ放しじゃストレスたまるだけだよーん。
あははは。


「五月蝿ぇよ」


はいはい。
俺の氷分けてやるから、な。
ストレートは胃に悪いから止めとけ。
ささ、ぐいっと。
おーいい飲みっぷり!
いいねーマボやん男前!


「・・・馬鹿野郎」


馬鹿ですよ。
馬鹿になってやるよ、お前のためならいくらでも。
って、ちょっとくさかった?
あっはっは。
ま、飲め。
たっぷり飲んじゃえ。
そんでぐっすり寝ればいんだよ。


「・・・んでわかんだよ」


わかりやすいんだよお前。
メンバーにだってバレバレなんじゃねぇの?
ポーカーフェイス気取ってるかもしれないけどさー。
意外と素直よ?お前の顔って。


・・・おーい。
おーい、まつおかー?


あーあ、寝ちゃったよ。
俺を置いて寝るんじゃねぇよ寂しいっつの。
仕方ねぇなぁ。
毛布毛布。
あー俺ってば出来た親友ですこと。


・・・・・・松岡。
お疲れさん。



>悪友の名前お題。いつもイノさんが弱い子なのでたまには逆を。