27:いつのまにか







いつの間にか大きくなって。
知らない顔まで見せてくるようになって。
きっといつかは独り立ちするようにもなるんだろう。
それまで見守っていてやるのが俺の仕事。












大きくなるのって早いと思う。
快彦のつい最近まで俺の胸くらいにあった頭は同じくらいになり。
剛と健と准なんて赤ちゃんから見てるから、その気持ちは強い。
あんなに小さかったのになー・・・と思ってみるけど。
こういうのって兄貴らしくないな、なんて思い直したりして。
普通親父とかおふくろが思うもんだ。
でも、ウチはその両方が欠けているから、そう思っちゃうのかもしれない。







欠けてるはずなのに。
兄弟は何も不自由していない様に見えて。
なんでそんなに普通なんだろうと首を傾げてみれば。
だって夫婦いるもん!と声を揃えて言われた。






夫婦って。
夫婦って、お前ら。








言われてみて、改めて冷静になって見渡してみる。
いつもはカーッとなったり、ショックを受けたりするだけなんだけど。
そうしたら、ああ、って思った。





博はいつもニコニコしていて(まぁその真意はよくわからんけど)、俺が叱った後はフォローを忘れない。
泣いている兄弟をきちんと理論を通して慰めて、時には叱って。
でもその後はちゃんと抱きしめて、兄弟を納得させている。





博に比べると俺は怒りっぱなしで叱りっぱなしだ。
けど兄弟たちはそれを引きずることなく、次の瞬間には謝りにきたりする。
どうしてだろうと思ったけれど。
これは博がいるからなんだろうな、とも思った。
叱った後で気まずい俺に声をかけてくるのも博だし。
そのおかげで俺は部屋に戻りやすかったりもする。




























そして今。
俺と博はテーブルに並んで座っていて。
兄弟を見ながらぼけーっとしている。
・・・と思ったら、博が湯飲みをはい、と渡してきた。
それをおう、と受け取る。
あ、茶柱。






・・・・って。
この図ってどう考えても熟年夫婦じゃんよ。







「・・・・夫婦、かもな」
博の隣で騒ぐ兄弟を見守っていた俺は、そう呟き。
それを聞いた博はずずーっとゆったりお茶を啜った後。
「今更何言ってんの」
と、当たり前かのように返してきた。
「いつの間に夫婦になったんだ・・・?」
「さぁ?」
笑いながら首を傾げた博はでも、と続ける。
「あいつらを養おうって決めた時から、そうなのかもね」
そんな博の言葉に、俺は素直に頷いた。





兄弟を養うこと。
それは両親がいなくなった時、長男の俺に課せられた使命のような気がしたんだけど。
違うんだよな。
隣にはいつも博がいて。
常に俺のことをサポートしてくれるからやってこれたんだと思う。
ありがとうなんて、照れくさくて言えないけど。






「きっと、そうなんだろうな」
「うん。だからこれからもしっかりしてよア・ナ・タv」
「・・・・・お前もな」





>夫婦が夫婦になったわけ(笑)




2006.9.2