23:手をつなごう
今日は珍しく兄弟総出で買い物。
何故なら卵がお一人様一パック85円だからである。
他にも色々そういった類の商品があり。
しみじみと兄弟多くてよかった、と感じる俺なのである(主夫くさい?)。
しっかし騒々しいったらない。
お菓子は強請られるわ、ものを取る度に取りたい取りたいとせがまれるわ。
極めつけに博がいるもんだから、下手なものを選べない。
味噌はここの!塩はここの!と値段に関係なく買い物カゴに放り込まれる。
こだわりの食材は当たり前だけど値段が高い。
あーのーなー。
何のために節約してんのかわかんなくなるだろ。
そう言ったらギロリと睨まれて何も言えなくなる俺。
・・・・博には敵わん。
買い物も終わり。
袋をそれぞれが分担して持つ。
もちろん、卵や割れ物は博と俺が分けて持ち。
米や味噌など重いけど落としても大丈夫なものは快彦。
お菓子のような、軽くてかさばるものは剛と健が持った。
准一は手ぶらでいいな、と思ったがそうもいかず。
「じゅんもー!じゅんももつー!」
「はいはい。じゃあこれ。な?」
小さな袋にスポンジを入れて手渡すと、嬉しそうに笑って。
「よしくん!じゅんもおてつだいしててん!」
と、快彦に見せにいって自慢していた。
「おっ!准は偉いなー」
「えへへ」
快彦に頭を撫でられ、満面の笑みを浮かべている。
帰り道。
兄弟の一番後ろを歩いていた俺は。
剛と健が。
快彦と准一が。
それぞれ手を繋いで歩いている光景に心を和ませていた。
「いいよなー」
「何が?」
俺の言葉に隣にいた博が首を傾げる。
「みんな手ぇ繋いでてさぁ。俺、好きだなこういうの」
「あぁ」
合点がいったようで、前を見て微笑む。
博もいいなぁとか思ってんだろうな、と頭で考えていたその時。
「はいっ昌兄v」
「・・・・・・はい?」
満面の笑みの博に差し伸べられた手。
何の意味かわからずに凝視する。
「手、繋ご?」
・・・・・・・あー。
「・・・・この年でか?」
「いいじゃん。手繋ぐくらいおじいちゃんでもやってるってv」
「おじいちゃんって、オマエな」
「ホラ、はーやーくー」
「・・・・・・」
「早くしないと荷物全部昌兄に任せて帰っちゃうぜv」
博の笑顔が怖かったから、慌てて手を繋いだ。
「・・・・あー」
「なに?」
「お前と手繋ぐなんて久しぶりだなぁ、と思ってさ」
「だろうね。ちっちゃい時以来だもん」
その時だってそんなに繋いでくれてないし、と博が呟く。
ぶん、と繋いだ手を振りながら。
「・・・そうだっけ?」
「そうだよ。昌兄照れ屋だったから」
「・・・・・かも、しんない」
思い当たる節はたくさんあるから。
俺は素直に頷いておいた。
手を繋ぐとわかることがある。
博とは物心ついた時には一緒にいた。
一歳差だから体の大きさは一緒くらいだった。
だけど今。
背は、俺の方がちょっと高くて。
手の大きさも俺の方がでかくて、あったかい。
店の手伝いで荒れた手は、同じくらいだったけど。
こういうのって、横に並んで手を繋いでみないとわからないもんなんだな。
「ホント、いいな」
「?」
「手、繋ぐってさ」
にっと笑って見せれば。
博も嬉しそうに笑い返してきた。
>意外にもこの二人で。こんなところが夫婦です。
副産物。
手を繋ぐ夫婦を見ての感想。
「相変わらず仲、いいなぁ・・・」
「なぁなぁ、よしくん」
「なぁに?」
「まぁくんとひっくんって、おとうさんとおかあさんみたいやな」
「んー・・・・・そうだねぇ」
「よしくんとじゅんもいつかそんなふうになれるん?」
「え。・・・・ど、どうかなぁ」
「なれたらええなぁ・・・」
「・・・・・(なれないと思うよ、なんて言えねぇ・・・)」
「剛、剛」
「あ?」
「ほら、あれ!」
「・・・・・・・あー」
「いいよねーなんかほわっとするよねー」
「・・・・・まぁな」
「よーし!俺たちも負けない関係になろう!!」
「・・・・・・・・(負けない関係ってどんな関係だよ・・・)」
2006.8.26