02:どっちが親なんだか





朝ごはんの前に言わなければいけない一言がある。
「いただきます!」
准一が顔の前で手を合わせて大きな声で言う。
剛も健も快彦も博も、それに習いいただきます、と声を出した。





ただ一人。
料理の終わった昌行だけはどかっと椅子に腰を下ろし、何も言わずそのままご飯を食べだす。
それを見て、准一は目を丸くした。
「まぁくん、あかん!」
「へ?何が??」
「今いただきますいわんかった!」
ぷうっと頬を膨らませて抗議する准一に、昌行は苦笑いを浮かべる。
「心の中で言ったんだよ」
「あかん!いただきますはくちにだしておおきなこえでいうもんなんや!」
「ご、ごめんなさい・・・」
いつになく真剣な表情に昌行はタジタジになる。
「じゃあもいっかいな。まぁくん、いただきますは?」
「・・・・・・・・い、いただきます・・・・」





その二人の様子を見ていた博が一言呟いた。
「あーあ。どっちが親なんだか」





>准ちゃんは時には一番の大人。




2006.8.12