17:いつか





よしくんもまぁくんくらいになれるかなぁ、と布団の中で快彦が言った。
寂しいから一緒に寝ようって俺の部屋を訪ねてきた弟の言葉がイマイチよく分からなくて、俺は眉を顰める。
「なにがだ?」
「えっと、おおきさが」
「おおきさ?」
おおきさって・・・ああ、なんだ。身長のことか。
「牛乳飲んでたくさん遊んで寝れば大きくなるよ」
「そうなんだぁ!」
ぷわっと嬉しそうに笑う快彦。
でも俺はちょっと複雑な心境だった。





だって。
自分より大きい快彦なんて想像つかないし。
第一、兄貴の威厳がなくなるような気がするから。
上から見下ろしてこそ兄貴だろ、と思う。
弟たちを見渡して、危ないことや辛いことから守ってやらなければとも思う。





でも、と快彦は続けた。
「よしくん、ぎゅうにゅうのむとおなかいたくなるからだめだぁ」
言うとしょぼん、と落ち込んでしまう。
その様子があまりにも可愛くて、俺はついつい笑ってしまった。
「なんでわらうのー?!」
あ、今度は怒ってるし。
もう、くるくる表情の変わる忙しいヤツだな。






「いつかぜったいまぁくんよりおっきくなるもん!」
そう、断言する快彦に。
「いっとくけど、いつかなんて絶対こさせねぇからな!」
と言って、布団ごと彼をぎゅうぎゅうに抱きしめた。





>よしくん、と自分を呼んでいた(現実で)三男が可愛い。



2006.8.18