■男子な友情で30のお題
もめんときぬさまからお借りしました。
http://sweety.jp/cottonxandxsilk/


1. お前が居なきゃだめなんだ(章+映/パラレル・サイコメ設定)
2. ガッツポーズ(裕+章+映/パラレル・サイコメ設定)
3. オレをまかせられるのはお前だけ(章+映/パラレル・サイコメ設定)
4. 遠慮すんなよ。友だちだろ(章+映+裕/パラレル・サイコメ設定)
5. 本音で語れ(章+映/パラレル・サイコメ設定)
6. 大喧嘩の後
7. アンニュイな溜息をスルー
8. 真っ向勝負の優しさ
9. どんぐらいのFriendship
10. 借りた100円は倍倍返し


>>>NEXT


































































1. お前が居なきゃだめなんだ





ドアベルが鳴った音を聞きつけ、玄関に向かう。
いらっしゃいませーと作り笑いを浮かべて尋ねてきた人の顔を見て。





・・・見なかったことにしてドアを閉めた。





他のお客さんも居るから、静かに丁寧に、ね。
背中にかかる声にまたも作り笑顔で振り返る。
あ、ワインの銘柄ですか?
それはブルゴーの1980年ものですよ。





だんだんだん。
しょーきっちゃーんあーけーてー。





あ?何か幻聴が。
お客さん、すみませんね。
この時間に酔っ払いなんて珍しいなぁ。
今大人しくさせてきますから、前菜を食べながら少々お待ちください。
え?やだなぁ、僕もいい大人ですよ。
穏便に話し合いで決着つけてきますって。
あっはっは。
ちょーっと、失礼しますねー。





すたすたすた
バンッ
あ、しょうきっちゃー
がしっ
ずるずる
げしっ





「イタイっ!蹴った!今容赦なく蹴っただろお前!!」
「はい蹴りました商売の妨害する輩を蹴って何が悪いんですか?」
「うわ、敬語似合わねぇー」
「五月蝿ぇ帰れ用が無いなら帰れそして出来ることなら二度と職場に顔出すな阿呆」
「映児お腹減っちゃったのよーだからおばさんに賄って貰おうかと」
「お前はホームレスか違うだろスタジオ帰れスタジオ!!」
「章吉ちゃん相変わらず冷たいー」
「うっわ馬鹿しがみ付くなスーツに皺出来んだろーがー!」













何だかんだで30分後。







ずるずるずる。
ぱたん。





「ただいま」
「お帰り章吉。・・・あら、映児くんじゃない」
「おばさんこんちわっ!」
「・・・コイツに何でもいいから飯食わしてやって」
「はいはい。ついでに章吉も食べちゃいなさい、出来てるから」
「やったー飯ー!」
「食ったら洗い物くらいしていけよ!!」
「分かってますってー。あー俺章吉ちゃんファミリーが居ないとやっぱダメだなー」
「死ね」




何だかんだ言いながらも。
ウチの賄いメニューを美味そうに食べている姿を見ていると、怒る気が失せる。
お袋も慣れたもので、傍でニコニコと笑って見ていた。
この世渡り上手さが映児の特技だな。
使い方を間違えている感が否めないけど。





「映児くんがお客さんとして来てくれる日はいつ来るのかしらねー」
「・・・おばさん、何気に酷いよそれ」





とりあえず。
最後にそう締めくくってくれたお袋に、盛大な拍手を送りたい。




>ワインに対するツッコミは無しの方向で(超適当)(爆)











2. ガッツポーズ





学校から帰ってきて、久しぶりにスタジオに向かうと。
映児くんと章吉くんが向き合って何やら動いている。
それを遠くから見つけ、僕は傍に寄って見た。
寄ってみて、口がぱっかりと開いてしまう。
この二人の状況を説明したい。
いや、説明したくないけど、説明しなきゃ伝わらないというのが正しい。
テーブルの上にはカップラーメンが一つ。
お湯の入ったそれは、多分もういい時間だろう。
そして、その横で二人が物凄い勢いであっちむいてホイをしているのだ。
え、ちょっと、これ、なに?
何かのコントですか?





「・・・おーい」





声をかけてみるも、二人はあっちむいてホイに夢中で気づきもしない。
なかなかの好勝負。
二人の傍にはいい具合になったカップラーメン。
そっとそれを手に取ってみる。
なのに二人は全然気づくことなくあっちむいてホイ。
ぱきん、と割り箸を割ってみた。
だけどやっぱり気づかない。
ぺり、とフタを外し、中身をぐしぐしと混ぜてみる。
いい匂いが広がるにもかかわらず、二人はまだ勝負の最中に居て。
僕は遠慮無くいただきます、と言ってずるずると音を立て麺を啜った。
あー丁度いい麺の固さ。











「・・・・・・っぃよっしゃーーー!!」





あらかたカップ麺を食したところで、章吉くんがガッツポーズをする。
悔しそうな映児くんと、得意気な章吉くん。
あぁ、ようやく勝負がついたんだ。





「ちくしょー!テメー目が細いから読めねぇんだよー!」
「うっひっひv映児は単純なんだっつの」
「この・・・スープくらいは寄越せよスープ!」
「往生際悪ぃな映児。男は黙って負けを認めろよ・・・って、あれ、裕介」
「お?裕介ちゃん、お帰りー!」
「ただいま、二人とも。そんで、ご馳走さま」





にっこり笑ってほぼ無くなったカップ麺の容器を差し出すと。





「「っっっぁあああぁぁああぁーーーーーーーっ!!!!!」」





それを見た二人が揃って涙目になって絶叫した。
カップ麺にここまで熱くなれるなんて、変わってないな。





「てっ、てめっ・・・テメー裕介この野郎!!!」
「俺のカップ麺返せーーー!!!」





そんな二人に僕はにっこりと笑みを向け。





「男は黙って負けを認めろよ、でしょ?」






とそう言うと、二人はガックリと項垂れる。
それを見て僕は心の中でこっそりとガッツポーズをとったのだった。




>そろそろ裕介くんがヒロスポジションに居ることを自覚しつつある(笑)
  トニでもこれ変換出来そうだなぁ。
  だけどアホなことを平気で出来るのは悪友ならではだよな!と思って書いてみました(笑)











3. オレをまかせられるのはお前だけ





俺は他人に背中を向けるのが苦手だ。
何故なら、前や横からよりも背中にきた攻撃の方が反応が遅れるから。
レーベルの頭という肩書きは、要らない争いまでくっつけてくる。
出来るだけ穏便に済ませたいんだけど、そうもいかず。
向かってくる気配にいちいち反応してたら、疲れてしまうから。
可能な限り、俺は味方や壁を背に立つようにしていた。










「ねー章吉ちゃん」
「何だよ」
「ずーっとピリピリピリピリして、疲れません?」
「・・・疲れる」





アジトの床にぺったり座り込んでクーポン雑誌を見ている映児の妙に図星をつく言葉に、ソファに寝転びながら小さく本音を言えば。
章吉ちゃんも大変なのねーと全く人事のような呑気な声が返ってくる。
あーそうだったコイツはそういうヤツだった。
べしっとつんつんに立てた頭を軽く叩くと、振り返る。
くりんと大きな二重の瞳。
それがぱちくりと何度か瞬きをして、すぅっと細められた。





「しょーきちーぃ」
「んー?」
「俺、暫くここから動かねぇからな」
「・・・あ?」





意味がよく汲み取れず尋ね返すも、映児はもう何も話さなかった。
俺は少し考えてから、ソファから身体を起こして、地べたに座り込む。
一回りほどでかいコイツの背中は、俺のよりやっぱり少しでかくて。
ここなら俺の背中も全て覆ってくれるだろうという安心感がある。
とすっとそれに背中を預ければ、ゆったりと消えていく緊張感。
壁やレーベルの仲間を背にした時とは比べものにならないそれに、ビックリした。





そういや、喧嘩の時も無意識に背中合わせてたっけ、なぁ。
コイツ居るんだよな、と思ったら何か安心する。
勝てる見込みの無い大人数を相手にした時だとしても、その安心感はそのままで。
なんだろう。
映児とだったら、負ける気がしねぇっつーか。
負ける時は負けるんだけど、無茶したくなるっつーか。
幾島さんが居た頃の俺に戻る気がする。
頭になってからは、メンバーをどうにかまとめようと必死だったから。
いつの間にか、変に冷静になっていた自分が居た。
どうして映児と居ると、俺は安心するんだろう。
根拠も理由もさっぱり思いつかないんだけど、それでも。
俺の背中を任せられるのはコイツだけだと、必ず豪語出来る。





「・・・落ち着く」
「だろ」





ふ、と鼻で笑いながらクーポン雑誌を見続ける映児。
珍しく格好いいじゃないの。
それが何だかムカついたから、俺は映児に思いっきり体重をかけて凭れかかってやった。




>喧嘩の時の映児と章吉ちゃんの背中合わせのシーンが大好きです。
  二人が座りながら背中合わせてたら可愛いな、というところから。
  実は最初、映児が章吉ちゃんの背中に文字を書いて、章吉ちゃんがそれを当てるごっこを考えてたんですが、あっちむいてホイと被るから止めました(笑)











4. 遠慮すんなよ。友だちだろ





「映児さーー・・・あ、ごめんなさい部屋間違えました」
「ちょ、章吉ちゃんっ!なに何事も無かったかのようにドア閉めようとしてんのよ?!助けて!」
「助けてって、俺だって嫌だよ!」
「ほらっ、雑誌もあるし新聞もあるし、スプレーもあるよ?!」
「テメーがきちんと掃除してねぇのが悪ぃんだろうが!」
「章吉ちゃんとか裕介の食い散らかした分だって入ってるだろー!」
「責任擦り付けんな!っていうか雑誌手渡すな!」
「遠慮すんなよー友達だろ?」
「俺とお前がいつ友達になったんだ?!」
「うわっ、章吉ちゃんソレ酷い!俺とお前は同じカップラーメンを食った仲じゃない!」
「んなもん誰だって食ってるだろ?!」
「俺はお前と裕介だけだもーんv」
「・・・ごめんなさいすいませんアナタ誰ですか?」
「え、存在まで否定?!」
「いーいーかーらー!その黒い物体何とかしろよ!じゃあな!」
「ヤダヤダっ行かないで俺一人にしないで章吉ちゃんっ」
「俺が来るまでは一人だっただろ!状況が元に戻るだけなんだから大して変わんねぇよっ!」
「嫌だっ!一回二人になると一人が寂しくなるー!」
「オメーはどこぞのガキか?!」
「はいはいはい、何やってんのー二人とも」
「裕介!聞いてくれよー章吉ちゃんがさぁー」
「おまっ、裕介、今部屋の中黒いアレが居るから帰るぞ!」
「黒いアレって・・・ああ、ゴキブリ?」
「「皆まで言うなぁああぁぁあっ!!!!」」
「二人とも喧嘩は強いのにゴキブリは駄目なんだもんね」
「ゆ、裕介は平気なのか・・・??」
「人並みだけど、二人よりは大丈夫だと思うよ」
「じゃ、じゃあ退治して!」
「うっわ、アイツこっち飛んできたーー!!」





ぱすっ





ビシッ!





「何だ、口ほどにも無いヤツだったな」
『『・・・く、空中で仕留めた・・・!!』』




>裕介ちゃんは可愛いのに無駄に最強だといい。
  YUMEさま宅の裕介が大好きですv(ここで言うな)











5. 本音で語れ





左手の調子が思わしくない。





映児はそう言って、ソファで不貞寝していた。
俺と映児が知り合ってから、こういうことは何度も起こっている。
簡単に言うと、映児の左手の力が暴走を始めるのだ。
大抵、暫くしたらそれは治るのだけど。
ヤツにとってはそれが恐怖でならないらしい。
力が暴走すると触れてもいないものの心まで読み取ってしまうのだと前に聞いた。
だから、映児は決まってソファで不貞寝を決め込む。
誰の心に踏み入ることも無いように、部屋に閉じこもって。















最初は俺すらも受け入れず、本当に一人になっていた。
近寄ろうとすると、物凄い目で睨みつけられ。
無理矢理外に押し出され、鍵を閉められる。
それはまるで、映児の心の中そのものを見ているようで。
俺はいつも悔しいような、悲しいような、ムカつくような不思議な心持ちになっていた。
コイツはいつもそうだ。
くだらないことはヘラヘラ笑って言うくせに、一番大事なことは何一つ表に出そうとしないんだから。
怒りに任せてドアを蹴るとガン、と鈍い音がした。





「映児」





名前を呼んでも、返事は何一つ返ってこない。
俺の中の苛立ちはどんどんと募っていく。
ムカついてムカついて、それでもしかとを決め込むもんだから。
俺は目の前のドアを思いっきり蹴ってこじ開けた。
想像していたよりは大分鈍い音が部屋中に響き、映児が驚いたような顔で俺を見る。
それを無視してつかつかと歩み寄り、ヤツの寝転んでいるソファの傍に座った。





「・・・ドア、壊すんじゃ、ねぇよ」
「返事しねぇテメーが悪ぃ」
「・・・っなんで・・・っ」
「俺はお前に読まれて困ることなんざ一つもねぇからよ」
「・・・・・・」
「言ってんだろ、何度も。言えよ、お前も」
「・・・・・・」
「俺はお前と違って、お前の心を読むなんつー器用なこと出来ねぇからさ」
「・・・・・・」
「言えよ、映児。聞いてやる」





俺の言葉の後に、空白の時間が出来る。
だけど、俺は辛抱強く待った。
映児の空気が、拒絶から迷いへと変わった気がしたから。


















「・・・・・・怖ぇんだよ」





ぽつりと一言。
それだけを言って、映児は口を噤んだ。
俺にとってはそれで十分だった。
今の一言で映児の本音が全て見えたから、満足した。





「そっか」
「・・・・・・」
「ま、寝りゃ治んだろ」
「・・・人事だと思って・・・章吉ちゃんの馬鹿」





不貞腐れたような映児の声だけど、どこか普段のコイツに戻ったようで。
俺はべしっとヤツの頭を殴って、ホッとして笑った。




>映児の心の中は章吉ちゃんだけが入れるというベタな展開で。
  ベタ、大好きなんです(笑)
  ちなみに、左手の力が暴走してうんぬんは実際には無いと思います。あったらいいなぁと思って作っちゃいました(こら)